神戸経済ニュース 編集長ブログ

神戸経済ニュース(https://news.kobekeizai.jp)の編集長・山本学のブログです

兵庫県は5国?

 兵庫県は「5国」(摂津、播磨、但馬、丹波、淡路)から成り立っている、というキャンペーンを熱心にしているが、あんまり5国って言わないほうがよいのでは。なぜなら、備前福河だって兵庫県だし、佐用町の一部は美作(みまさか)だったから。兵庫県の「県土」みたいな話をするなら、無視できるはずはない。

 それに摂津の中心的な都市である難波津は大阪府だし、丹波にしても亀岡、園部、福知山といった都市は京都府だ。兵庫県内の旧摂津と旧丹波の地域は、備前における備前福河との比較で見れば広い範囲かもしれないが、全部でないという点では同じ。

 そもそも廃藩置県といって、昔の国の概念を捨てたところから、兵庫県のような広大な県が成立しているのではないか。歴史も大事だが、あまり行政が回顧趣味に走るのはどうかという気はする。なぜ、いまの位置が県境になったのか、そもそも県境としてふさわしいのか、といったところにキャンペーンのヒントがあるのではないか……という気はする。

 ちなみに伝統的な日本文学に土地勘のある人なら「ゴコク」と言えば「米、麦、粟、稗、豆」だとか、「米、麦、粟、黍、稗」だとかを思い浮かべるのではないか。普通は五国ではなく「五穀」が正解だ。